前回に引き続き、松山市議会議員の池田美恵さんのインタビューをお送りします。
今回は、「子ども医療費無料化」について。
みえさんが議員を志した原点の政策でもあり、議員当選以来、なんどもなんども議会に取り上げ、要望してきた子ども医療費無料化。
やっと、2020年1月に実施されることとなりました!!!
「子ども医療費無料化」に向かってみえさんがやってきたこと、しくみ、実施までの苦労などをインタビュー形式でお伝えさせていただきます。
松山市では、なぜ今まで無料じゃなかったの?
「子ども医療費」って自治体によって助成内容が違うんですね・・・。
実はそれすら知りませんでした。
息子が小学生になって、今まで不要だった病院代が必要になってきて・・「そういうものなんだ」って思ってました。
子ども医療費には、
0〜6才就学前までの子どもが対象となる「乳幼児医療」と、
小学1年生〜中学3年生(15才年度末)までの子どもが対象となる「児童医療」
の2種類があるんですが、全ての都道府県・市区町村で独自の助成が行われています。
現在松山市は、就学前までの子どもが対象となる「乳幼児医療」の医療費は助成されていて、小学1年生〜中学3年生(15才年度末)までの子どもが対象となる「児童医療」は助成がない状況なんです。
なるほど!
今、愛媛県内の子ども医療費の助成状況はどんな感じなのですか?
県内20市町のうち、17市町が児童医療の助成をしています。
残りの3市のうちの1市が松山市です。
松山市・・・人口が多いのに、助成されていなかったんですね。
助成がない理由として、一つは財源不足が挙げられることが多いです。
財源不足・・・というより、優先度の問題というのが正しいかもしれません。
言い方が少し悪くなってしまいますが、分かりやすく言うと、「ほかに財源を使いたいことがあるから、子ども医療費の助成を後回しにする」みたいな感じでしょうか。
でも無理もありません。
医療費助成がはじまると、年間8億あまりの経費が毎年必要になってくるんです。
は・・・8億!?
そうなんです。
簡単に実施できなかったのはそのためです。
それでも、必要だと思ったので声を挙げ続けました。
完全な無料化と、そうでない無料化がある
ひとことに「子ども医療費無料化」と言っても、制限付きの無料化があるのをご存知ですか?
無料なのに、いろいろな制限があるんですか?
うちの3才の娘は、受給者証を提示するとそれだけで医療費無料になりますが・・・ほかにも何かやらないといけないことがあるんですか?
みなさんがイメージするのは、いつ、どこの病院に子どもを連れて行って診てもらったとしても、支払いをしないで受診でき、子どもの看病に専念できることですよね。
でも自治体によっては「所得制限」を設けていたり、一度窓口で3割支払いをし、数ヶ月後に負担した3割分を口座振替で補う、いわゆる「償還払い」を実施しているところもあります。
緊急性がないのに休日や夜間に気軽に受診する、いわゆる「コンビニ受診」を防ぐというメリットもあるのですが、
これらの制度で一番残念なところは、1円でも料金を支払わなくてはならない以上、病院の支払い窓口で具合の悪い子どもを抱えて待たなければならないと言うことです。
それはしんどいな〜〜・・・。
考えるだけで面倒くさい。
制限なしの自治体は、なんの処理もいらないってことですよね?
実際に聞いた話なのですが、
東温市に近い小児科では、松山市の親子は受診後、医療費の支払いの順番を待っているけれども、東温市の親子は受診が済んだらすぐに病院を後にできる・・・というのがいつもの光景なのだそうです。
あ〜それは辛い。
同じ条件で病院に行っているはずなのに、住んでいる自治体によってそんなに差があるなんて。
「償還払い」の場合は、家計が厳しい自転車操業の家庭の場合、手元に現金がなくて受診させられないというデメリットがあります。
子どもの体調が悪いとき、ケガをしたとき、安心して迷うことなく病院へ連れていけるようになってほしい。
そのために、私は、完全に制限のない医療費無料化を目指しました。
そして、「みえだより」にも書いてあるように、完全な無料化で来年の1月に実施されるようになったんですよね!
素晴らしいです!!!!
はい。
多くの市民が望んでいることを示し、予算措置の実行を迫れば実現できるということが今回わかりました。
これからも子どもの未来のために動いていきたいです。
なぜ「子ども医療費無料化」にこだわったのか?
過去の議事録を読ませていただいたのですが、本当にみえさんって毎回毎回、しぶとく(笑)議会で「子ども医療費無料化」の議題を出してましたよね。
そのおかげで、こうやって来年から医療費無料化が実施されるのってとってもありがたいのですが、なぜそこまで「子ども医療費無料化」にこだわったのですか?
私自身、子どもの病気でとても苦労したので、今苦しんでいる人たちの代弁ができると思ったからです。
子どものために病院に行くと、医療費がかかる。
そのために仕事を休まないといけないから、収入も減る。
好きで病気になったわけではないのに、そんな現実がとても悲しくて。
私は、子どもの貧困や虐待に関しても問題意識を持って取り組んでいるのですが、愛媛県には生活保護世帯に暮らす子どもは何人いると思いますか?
うーん・・・想像つかない。
平成30年4月1日現在で、生活保護世帯で暮らす18才未満の子どもは、1,015人。
児童扶養手当を受給する家庭の18才未満の子どもは8,001人気、就学援助費を支給されている小学生および中学生は、平成30年3月31日現在で6,015人です。
ただ、これははあくまでサポートを受けている人数の話。
サポートを受けていなくても、子どもの貧困はあり得ると言うことでしょうか?
今、子どもの貧困は相対的と言われていて
着るものや持ち物などからは貧しさが測れず、他人から見えにくくなっています。
今、全国的な子どもの貧困指数が13.9%と言われているので、そこに当てはめると松山市の子どもの貧困は1万1,327人。
私たちの想像以上に、貧困に苦しんでいる子どもはいると思います。
そういう子どもたちが病気になった時に、
安心して病院に行けるように、完全な子ども医療費無料化を目指したのですね!
そうです。
私、「子どものことをやる議員」になりたかったんです。
議員さんはさまざまな公約をして議員を志ざしますが、
子どものことをしたい!と言って議員になる人はなかなかいません。
女性議員が少ないというのもひとつの理由です。
先ほどお伝えした通り、財源は一つですから
予算を使う理由を明確にして、みんなに納得してもらい、優先度を高めないと、いつになっても子どものために税金を使うことはできません。
す・・・すごい納得です。
これはリアリティを持って、説得していかないとなかなか採用されないですね。
だから、みえさん、みなさんを説得するためにたくさんの材料を地道に集めて、何度も何度も議会に話題を出していたのですね。
はい。
子どものことにお金を使ってもらうために、他の税金の使い道を調査してみたり・・・。
現状調査として、お母さんたちに話を聞いてみたり。
さまざまなことをやってきました。
でも、「子ども医療費無料化」はゴールではなくスタートです。
子どもの貧困、虐待など、問題はまだまだ山積み。
一つひとつ解決していくことが大切です。
なんか、頼もしいです!!!
またいろいろ教えてください。
今回、みえさんとお話ししてみて感じたのは
「知らない」ことって、怖いな〜ということ。
「当たり前」に慣れすぎてしまって、現状を変えようとしない怖さ。
動けば変わる未来があります。
「子ども医療費無料化」がその第一歩でありますように!
私も、いろんな現状に目を向けてみようとおもいました。
詳しくは「みえだより」にて
年に2回発行している「みえだより」。
私も編集に関わらせてもらっています。
みえさんが、普段どんな活動をしているのか、
議会の一部抜粋、
みえさんが最近読んだ本や、質問コーナーまで。
ぜひご一読ください。
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次回の記事も、私が知りたいことを中心に
みえさんの活動についてお尋ねしていきます。
お楽しみに♪